自分「数学のセンスがない」と思い込んでいる生徒さんが多くいますが、中学数学で学ぶ内容に特別なセンスは必要ありません。基本をしっかり理解し、順序立てて解いていけば、ほとんどの問題は解けるようになります。
私がこれまで塾で指導してきた経験から言えるのは、コツコツと積み重ねていける学習習慣がある生徒さんほど、確実に点数が伸びているということです。
難問が解けなくても心配いりません。基本がしっかりできれば十分に高得点が狙えます。数学が苦手になってしまう生徒さんには、次のような特徴が見られます。
- 勉強する順序を理解していない
- 公式だけを暗記しようとして問題と結びつけられない
- 途中式を省略して計算ミスを繰り返す
- 前の単元をあいまいなまま次に進んでしまう
こうした問題点を解決するため、効果的な学習法をご紹介します。
普段の数学の学習法のポイント
1. 教科書を順序よく理解する
数学の家庭学習では問題演習に目が行きがちですが、教科書の内容が理解できていなければ、いくら問題を解いても力はつきません。
私が教えた生徒で、「とにかく問題集をやればいい」と思って教科書を読まず、問題だけ解こうとして挫折するケースがよくありました。まずは教科書をしっかり読み、内容を確認することから始めましょう。
2. 基本の公式や解き方を確認する
例えば、正負の数の加減法を学ぶ際には、単に「同じ符号は足して同じ符号、違う符号は大きい方の符号」と暗記するだけでなく、数直線で考えるとどうなるかなど、なぜそうなるのかを理解することが大切です。
理解できないところは必ずチェックして、学校や塾の先生、数学の得意な友人などに質問しましょう。数学は積み重ねの学問です。分からない部分をそのままにすると、後の単元でさらに理解できない部分が増えてしまいます。
3. 例題を解いて理解を深める
教科書の例題を自分で解いてみましょう。初めは難しく感じても、例題の解答をノートに写してみることから始めるとよいでしょう。
この時、「なぜこの式になるのか」「この計算のステップはどういう意味があるのか」を確認しながら進めることが重要です。例題の解き方を理解できてから、問題演習に進みましょう。
4. 公式は問題を解きながら覚える
私の塾講師や家庭教師での経験から、テスト直前に公式をひたすら暗記しようとする生徒さんがたくさんいましたが、ほとんど効果がありませんでした。公式は必ず問題を解きながら覚えてください。
例えば、「(a+b)²=a²+2ab+b²」という展開公式を暗記するだけでなく、実際に「(x+3)²を展開せよ」といった問題を解く中で使えるようにすることが大切です。意識して覚えようとしなくても、問題を解く中で自然と手が動くくらいに身につけることが理想です。
図形の証明問題でも、定理や性質を単に言葉で暗記するのではなく、図を描きながら理解することで記憶に定着します。
5. 途中式や考え方をノートにしっかり書く
数学は答えだけでなく、考え方や解法の過程が重要です。途中式や文章題の考え方は、必ずノートに書く習慣をつけましょう。
私が指導してきた生徒さんの中で、最も成績が伸びたのは、面倒がらずに途中式を丁寧に書いていける生徒さんでした。「頭の中でできるから」と省略する生徒さんほど、計算ミスを重ねていたのです。
数学はたくさんノートを使いましょう。長い証明や複雑な計算は、1問に1ページ使っても構いません。大きな字で素早く書けるようにすると、問題を解くスピードもアップします。
計算や文章題の式は一行ずつ縦に書くのが基本です。例えば:
2x + 3 = 7
2x = 4
x = 2
このように書くことで、どこで計算ミスをしたのかも分かりやすくなります。
また、ノートの1ページの半分に線を引いて左側に解答を書き、答え合わせをした時に右側に正答やポイントを記入する方法も効果的です。自分に合ったノートの使い方を工夫してみてください。
数学のノートの使い方がこちらの記事を参考にしてください
数学のノートの書き方、作り方数学のノートの書き方・作り方:効率的な学習のために
6. 問題集で基礎力、応用力をつける
教科書の内容が理解できたら、問題演習で学習内容を定着させましょう。その際、次の点に注意してください:
基本問題を確実に解けるようにする
難しい応用問題に挑戦したくなる気持ちは理解できますが、基本問題が確実に解けなければ応用も解けません。まずは、基本的な問題を100%正確に解けるようにすることを目指しましょう。
私が教えていた中で特に印象的だったのは、「簡単な問題はつまらない」と言って基本問題を飛ばし、難問だけに挑戦していた生徒さんです。結果として基礎が固まらず、テストでは平均点以下でした。基本問題を確実に解ける力をつけてから、応用に進むことが大切です。
分からない問題は解答を見て理解する
応用問題や解き方が分からない問題に当たった時、ただ解答を写すだけでは力はつきません。まずは解答を見て解き方を確認し、理解できたら今度は解答を見ずに自力でやってみましょう。
解答を見ても分からない場合は、どこが分からないのかをチェックしておき、先生に質問するなどして解決していくことが大切です。
7. 毎日短時間でも数学の学習時間を作る
数学は毎日少しずつ学習することが効果的です。計算を正確にしたり、解法を身につけるためには、繰り返し学習することが重要です。
時間がない日でも、10分程度の計算練習をすることをおすすめします。計算ドリルのような問題集を活用すると、短時間でも効率的に学習できます。
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まとめ
数学の成績を上げるためには、「センス」ではなく「継続的な学習習慣」が鍵となります。教科書をしっかり読み、例題で理解を深め、途中式を丁寧に書く習慣をつけ、基本問題から応用問題へと段階的に学習を進めていきましょう。
何より大切なのは、分からないところをそのままにせず、必ず解決することです。コツコツと積み重ねていく学習ができれば、必ず数学の成績は上がってくるでしょう。
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