中学3年生の生徒さんは、定期テストの勉強と受験勉強をどう両立させればよいのか、悩むことが多いのではないでしょうか。**「定期テストで良い点を取りたいけれど、受験勉強も進めなければ……」**そんな気持ちを抱えている生徒さんも多いことでしょう。
実は、この二つは別々に頑張るより、上手に結びつけたほうが無理なく進められます。この記事では、週のうちに受験対策の日を決める方法、毎日10分の暗記を続ける方法、そして定期テストを入試の練習に変える考え方についてお話しします。
定期テストと受験勉強は別々ではない
多くの生徒さんは、定期テストは「今習っている範囲を覚えるもの」、受験勉強は「これまでの全範囲を復習するもの」と分けて考えがちです。しかし、中学3年生の場合、この二つは思っている以上に深くつながっています。
まず、内申点(通知表の成績)は、公立高校入試の選抜で使われる重要な資料の一つです。東京都立高校の学力検査に基づく選抜では、全日制の多くの学校で、学力検査の得点と調査書点を7対3の比率で扱う方式が基本となっています。2027年度入試からは、一部の高校で学力検査のみの得点と比較する新しい方式も導入されています。
参考:リセマム「高校受験2027 都立高選抜要綱を公表…調査書点なし『10:0』導入も」
内申点に使われる学年は、都道府県によって違います。2024年春の入試について調べた調査では、中3の成績だけを使うのは東京都や愛知県など11都県で、33道府県は中1から3年間の成績を使っていました。制度は見直されることもありますので、お住まいの地域の決まりは、学校の先生や教育委員会の最新の案内で確認しておきましょう。
参考:朝森教育データバンク「高校入試はもう始まっている!都道府県別・内申点は何年生から評価される?」
また、勉強の中身の面でも、中3の学習は1・2年生の内容の上に積み上がっています。たとえば中3で習う二次関数(y=ax²)は、中1の比例と中2の一次関数が分かっていないと難しく感じます。定期テストの勉強で1・2年生の内容を確かめることは、そのまま入試の土台づくりになります。
週のうちに受験対策の日を決める
定期テストと受験勉強を両立させるには、「いつ受験勉強をするか」を先に決めておくことが近道です。毎日その場で「今日は何をやろう」と迷っていると、部活で疲れた日はどちらも進まなかった、ということになりがちです。
おすすめは、1週間のうちに受験対策の日を2日決めておくことです。たとえば、部活のある月曜・水曜・金曜は学校の宿題と定期テストの勉強を中心にして、火曜と土曜を受験対策の日にします。火曜は1時間ほどで、1・2年生の内容を1単元だけ復習します。土曜は午前中に2時間ほど使い、志望校の過去問を1教科分解いたり、間違えた問題のやり直しをしたりします。部活や塾の予定に合わせて、曜日は自由に入れ替えて構いません。
定期テストの2週間前からは、受験対策の日を週1日に減らして、テスト勉強を優先しましょう。テストが終わったら、すぐに週2日へ戻します。2週間前からの進め方は、中学生の定期テスト計画術:2週間で確実に成果を出す学習の進め方にまとめています。
入試が近づくにつれて、受験対策の日を週3日、週4日と少しずつ増やしていくと、無理なく入試の勉強へ切り替えられます。
毎日10分、中1からの暗記を続ける
受験対策の日だけでは、英単語や漢字のような暗記は追いつきません。暗記は短い時間でも毎日触れたほうが定着しやすいので、毎日10分の暗記の時間を別に作りましょう。
大切なのは、3年生の範囲だけでなく、中1の内容から順に見直すことです。1年生で習った単語や漢字ほど忘れているものも多く、入試では中学校3年間の内容から出題されます。
量を考えても、毎日の積み重ねが必要です。中学卒業までに学ぶ英単語は、小学校で習う600〜700語と合わせて2200〜2500語ほどになります。漢字も、小学校で習う1026字に加えて、中学校ではさらに多くの常用漢字を学びます。これを入試の直前にまとめて覚え直そうとしても大変です。
10分の使い方は、曜日ごとに教科を決めておくと迷いません。たとえば、月曜は英単語、火曜は漢字、水曜は理科の用語、木曜は社会の年代や地名、金曜は英語の熟語や教科書の例文、というように入れ替えます。
英単語なら、教科書の巻末にある単語一覧を中1のページから順に開き、日本語の意味を隠して20語ずつ確かめます。言えなかった単語には印を付けておき、次の週はその単語だけをもう一度見直しましょう。1日20語なら平日5日で100語、1か月でおよそ400語を見直せる計算です。
定期テストの前は、この10分を今回の範囲の暗記に切り替えます。範囲になっている英単語や歴史の用語は入試でも必要になるものが多いので、定期テストの勉強がそのまま入試の暗記になります。
定期テストを受験対策に変える3つの考え方
週の予定と毎日10分の暗記が決まったら、定期テストの勉強そのものも受験につなげていきましょう。次の3つの考え方を意識してみてください。
志望校の過去問を見て「よく出る範囲」を知る
志望校が決まっている生徒さんは、その高校や地域の過去問を一度見ておくことをおすすめします。公立高校共通の入試問題は、教育委員会のWebサイトなどで公開されていることもあります。
今の段階で解けなくても大丈夫です。どの単元がよく出ているか、どんな形の問題が多いかをつかむことが目的です。
たとえば東京都立高校の理科では、過去10年間の出題をまとめた資料を見ると、「電流」は毎年出題されています。電流は中2で学習する内容ですので、中3の普段の定期テストだけを勉強していると、しばらく触れないままになってしまいます。こうした単元を受験対策の日に復習しておくことが大切です。
参考:SEED進学会「東京都立高校 入試の出題傾向や学習ポイント分析」
もちろん、出題の形や頻出単元は都道府県や学校によって違います。受験する地域の過去問を確認して、今回の定期テストの範囲に入試でも重要な単元が入っているなら、いつもより丁寧に復習しておきましょう。
苦手な単元はテスト範囲に合わせて克服する
定期テストの範囲に、苦手な単元や理解があいまいな単元が入っているときは、克服する絶好の機会です。「苦手だから後でやろう」と先延ばしにしていると、入試の直前になって大きな不安になります。
定期テストは範囲が決まっているので、苦手な単元に絞ってじっくり時間をかけられます。
授業で分からなかったところは先生に質問し、似た問題を何度も解いて解き方に慣れていきましょう。教科書や問題集の説明を読み直すことも欠かせません。
たとえば数学の因数分解が苦手なら、二次方程式にもつながる単元ですので、テスト範囲の中でも優先して練習します。ここで苦手を減らしておけば、入試前にもう一度復習するときにも取り組みやすくなります。
テスト後の見直しを入試の練習と考える
定期テストが返ってきたら、間違えた問題を見直すと思います。この「見直し」を、入試の練習として位置づけてみましょう。
まず、間違えた問題を「知識が足りなかった」「うっかりミス」「時間が足りなかった」などに分けてみます。そして、次に同じ間違いをしないために何をするかを決めます。
英単語のつづりの間違いなら毎日10分の暗記に回し、数学の計算ミスなら受験対策の日に計算問題を何問か解く、というように、見直しの結果を普段の学習に戻していきます。
また、テスト後の復習では、問題集から似た問題を探してもう一度解いてみるのも効果的です。テストで覚えた知識がその場限りにならず、入試でも使える形で身についていきます。
内申点も入試の力も、毎日の積み重ねから
定期テストを上手に使いながら、受験に向けた基礎力を少しずつ積み上げていきましょう。平日は毎日10分の暗記を続け、苦手な分野は夏休みや冬休みなどの長い休みにまとめて取り組む計画を立てておくと、入試までの時間を使いやすくなります。
中学3年生の定期テストは、成績をつけるためだけのものではありません。内申点につながるだけでなく、今の自分の理解度を確かめ、弱点を直し、得意な分野を伸ばす機会にもなります。
週2日の受験対策の日と毎日10分の暗記を組み合わせて、定期テストと受験勉強を一緒に進めていきましょう。
定期テストの学習計画表はこちらからダウンロードできます。

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