中学数学は積み重ねの学問です。一度理解が追いつかなくなると、その後の学習全体に影響を及ぼします。この記事では、中学生の保護者の方や生徒さん向けに、数学でつまずきやすいポイントとその効果的な対策方法を詳しくご紹介します。
中学数学で成績が下がる主な原因とは
中学の数学は、分からない部分が出てきてしまうと、やる気が低下し、その結果として成績が急激に下がってしまうことがあります。これは、前の単元の内容が次の学習の土台となるためです。
一度理解できない部分が生じると、それ以降の単元も理解できなくなる悪循環に陥りやすくなります。
中学数学は大きく分けて以下の5つの分野に分類されます:
- 計算分野
- 文章題
- 関数
- 図形
- 確率
特に注意すべきは計算・図形・関数の3分野です。これらは1年生から3年生まで内容が連続的につながっているため、1年生の段階から確実に理解を積み上げていく必要があります。
以下では各分野のつまずきやすいポイントについて解説します。日々の復習や定期テスト前の学習で特に確認してください。
計算分野のつまずきポイントと対策法
なぜ計算でつまずくと数学全体が苦手になるのか
計算の段階でつまずいてしまうと、数学全体の成績向上が難しくなります。中学で突然数学が苦手になる典型的な例として、以下のような状況があります:
- 正負の数の計算ができない
- 複雑な計算に対応できない
- 四則計算を組み合わせた問題が解けない
これらの問題の根本原因は、多くの場合、小学校からの計算練習不足にあります。対策としては、まず現状の把握が重要です。
具体的な計算力強化の方法
- 小学校の計算ドリルや復習問題に立ち返る:どの段階でつまずいているのかを特定しましょう。
- 途中式をしっかり書く習慣をつける:特に文字式の計算では、途中式が抜けることで符号ミスや通分ミスが発生します。教科書の途中式を一度丁寧に書き写し、計算過程を確認する練習が効果的です。
- 日常的な計算トレーニング:毎日5〜10問程度の計算問題を解く習慣をつけましょう。素早く正確に解けるようになることが目標です。
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関数のつまずきポイントと効果的な学習法
関数分野で特に注意すべき学年と単元
関数は多くの生徒さんがつまずきやすい分野です。学年ごとに以下の内容を学習します:
- 中1:比例・反比例
- 中2:一次関数
- 中3:二次関数
特に中2の一次関数で苦手意識を持つケースが多く見られます。しかし、関数の基本は以下の3点に集約されます:
- 表を作成する
- グラフを描く
- 式のパターンを覚えて数値を代入する
これらを教科書に沿って丁寧に学習すれば、決して難しいものではありません。
関数学習の重要ポイント
グラフ作成能力の強化:関数で最も重要なのはグラフが正確に描けることです。苦手意識がある場合は、グラフ作成の基本練習から始めましょう。

計算力との関係:応用問題では、基本の関数式に数値を代入する問題が増えます。この段階では1次方程式や2次方程式の計算力が必要となるため、計算に不安がある場合は先に計算練習を行いましょう。
学年をまたいだ復習の重要性:3年生で2次関数を学習する際には、1・2年で学んだ比例・反比例・1次関数を総復習することが入試対策としても効果的です。
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図形分野の効果的な学習法
なぜ図形が各学年で重要なのか
中学数学では、全学年を通して図形の単元が重要な位置を占めています。図形問題を得意にするには、以下のような学習がおすすめです。
図形学習の具体的方法
- 実際に図を描く練習
- プリントへの書き込みだけでなく、ノートに図形を描く習慣をつけましょう。慣れてきたら定規を使わずに素早く図を描く練習も有効です
- 立体的思考の育成
- 平面図形だけでなく、実際に図形を切ったり組み立てたりする体験も重要です
- 公式を確実に理解する
- 公式を単に暗記するだけでなく、どのような場面でどう使うかという感覚を身につけることが大切です。同じ公式を使う基本問題を繰り返し解くことで、自然に使いこなせるようになります
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証明問題の攻略法―難しく考えすぎない
証明問題でつまずく原因
中学2年生の後期から証明問題に苦手意識を持つ生徒さんが増加します。その主な原因は以下の3点です:
- 「論理的思考」の練習不足
- 証明の目的や全体像の理解が不十分
- 学習の「手抜き」傾向
特に3つ目の点について詳しく説明すると、中学2年生で数学に苦手意識を持つと、「問題の一部だけ解ければ良い」という考えに陥りやすくなります。例えば、証明問題の穴埋め部分だけを埋めて、全体の証明の流れや意味を理解しようとしない傾向が見られます。
このような部分的な学習を繰り返していると、いくら勉強時間を重ねても本当の応用力は身につきません。証明問題は全体の論理構造を理解することが重要なのです。
効果的な証明問題学習法
証明問題の単元に入ったら、以下の2つの学習を根気よく繰り返すことが効果的です
- 教科書・参考書の例題を徹底的に書き写す
- 証明の流れを追いながら、1字1句ノートに書き写してみましょう
- 同じ問題を解答を見ずに解く
- 解答を隠した状態で自力で解く練習を繰り返します
この方法は証明問題に限らず、「自分が今何について解いているのか」を常に意識する姿勢を養うことができ、数学全般の理解度向上につながります。
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中学数学成功の鍵―教科書の例題を徹底的に理解する
数学の成績向上において最も重要なのは、教科書の例題をしっかり理解し、類題が解けるようになることです。以下のような学習を進めていきましょう。
- 例題を見ながら、式の意味を1つ1つ確認する
- 同様の問題を繰り返し解く
- 理解度を段階的に高めていく
重要なのは、最初から難しい問題に挑戦するのではなく、確実に解ける問題を少しずつ増やしていくことです。これが数学の成績向上への最短ルートとなります。
まとめ―中学数学の学習は「積み重ね」が大切
中学数学は積み重ねの学問です。つまずいたポイントをそのままにせず、基礎から丁寧に学び直すことが大切です。前の学年で理解できていない箇所があれば、週1回の復習時間を設けたり、長期休暇を利用してまとめて学習したりするなど、計画的な学習を心がけるようにしてください。
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