数学は積み重ねの学問です。一度理解が追いつかなくなると、その後の学習に大きな影響を及ぼします。ここでは、中学数学で特に注意すべきポイントと、その対策をご紹介します。
数学は一度分からなると成績が下がりやすい
数学は分からないところが出てきてやる気をなくしてしまうと、どんどん成績が下がってしまいがちになる教科です。
前にやった内容が次の単元でも必要になってくるので、一度分からないところが出てくると次も出来なくなってしまうことになります。
中学の数学は、大きく計算分野、計算を使った文章題、関数、図形、確率に分かれます。特に計算、図形、関数は1年生→2年生→3年生と内容がつながっていくので、1年生から気を抜かないでしっかり学習しなければなりません。
それぞれの分野のつまづきやすいポイントをあげていきますので、普段の復習や定期テスト前の勉強で確認してみるようにしてください。
また、前の学年で出来ていないところがありましたら、週1回復習する時間を作る、夏休みなどにまとめて学習するなど、基本からしっかり学習するようにしていきましょう。
計算の学習のポイント
まず、計算の段階でつまずいてしまうとなかなか成績を上げることが出来なくなります。
中学で数学がいきなり苦手になってしまうケースとして、正負の数の計算が出来ない、複雑な計算や、四則計算になると出来ないということがあります。
これは、小学校からの計算練習の不足が原因として考えられます。1度小学校の計算ドリルや復習問題をやってみて、どこで出来なくなっているかを確認してみましょう。苦手な計算があったらしっかり練習してください。
計算の過程は途中式を書いて身につけていく必要があります。文字式の計算などは、途中式が抜けていて符号を間違えた李、通分などがしっかり出来ていないこともあります。よく間違える問題は教科書にある途中式を一度しっかり書き写して、計算の過程を確認してみるようにしましょう。
また、計算問題は時間をかけずに素早くできるようにすることが大切です。毎日5〜10問程度でいいので、ノートに計算問題をやる習慣を身につけましょう。
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関数でつまづきやすい
次につまずきやすいのは関数分野です。
中1で比例、反比例、中2で一次関数、中3で二次関数と進んでいきます。比例、反比例までは、なんとなく出来ていても、中2の一次関数で苦手になってしまうケースが多いようです。
しかし、関数の基本は表を作る、グラフを書く、式のパターンを覚えて数値を代入するということです。教科書を読みながら丁寧に問題を解いていけば、それほど難しいものではありません。教科書で基本的なことを確認しながら順番に問題を解いてみるようにしましょう。
関数で大事なのは、グラフが書けることです。苦手になってしまった場合はグラフを書く練習をしっかりしましょう。
応用レベルになると、基本の関数の式に数値を代入する問題に移ります。ここは、1次、2次方程式の計算が出来てないと解けない所ですので、計算が不安な場合は先にしっかり学習する必要があります。
また、1、2年で関数が苦手だった場合も、3年の2次関数になると、それほど多くの内容をやらないため、出来てしまうことが多いようです。そのため入試レベルになると、1、2年の基本が分かってないと解けないような応用問題が出題されることが多くなります。3年生で2次関数を学習するようになったら比例、反比例、1次関数をまとめて復習するようにしていきましょう。
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図形の問題は各学年で重要になる
中学の数学ではどの学年も図形の単元が重要になってきます。
まず、図形問題を得意にするには、小学生のうちから、ノートに図形を書いたり、実際に切ったり組み立てたりしてみる作業をすることが大切になります。中学生になって
苦手になってしまった場合は、プリントや問題集に書き込むだけでなく、ノートに実際に図形を書いてみる練習をしてください。慣れてきたら定規を使わずに、素早く図を書
く練習をしましょう。
また、図形問題は公式を覚える必要がありますが、漠然と覚えるだけでなく、どの場合にどういう風に使うかということを、感覚的に身につける練習が大切です。同じ公式
を使う基本問題を多くやり、自然に使えるまで練習してください。
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証明問題は難しく考えない
中学二年生の後期から証明問題を苦手にする生徒さんが多くなります。これはAだからBになるという、「論理的な思考」を使う練習が不足していることがあげられます。
そもそも、数学で何を証明するのかという根本的なことが分かっていないため、穴埋め問題ならなんとか出来ても、自分で完全な解答が出来なくなってしまいます。
中学二年生くらいで数学に苦手意識があると、解答の一部だけを埋められれば、その他は分からなくてもいいと、手抜きの勉強をしてしまいがちです。この手抜きを繰り返
していると、いくら勉強しても応用力は身に付きません。
証明問題の単元になったら、
- 教科書・参考書で、例題の証明の流れを追いながら、ノートに1字1句書き写す
- 同じ問題を、今度は解答を隠した状態でやり直してみる
という練習を根気よく繰り返すようにしてください。
これは、証明問題以外でも大切なことです。自分が今何について解いているかということを常に考えることが数学の勉強では大切になります。
証明問題の練習プリントはこちら
基本は教科書の例題を繰り返す
数学の勉強の基本は教科書の例題をしっかり理解して類題を解けるようにすることです。例題を見て、式の意味をしっかり確認しながら問題を解くことを繰り返していきましょう。
この時、難しすぎて分からない問題を最初から無理に解く必要はありません。確実にできる問題を少しずつ増やしていくことが数学の成績を上げるのに重要です。