高校入試で増加する作文問題の対策法
高校入試で「作文が時間内に書けない」「何を書けばよいか分からない」という悩みを抱えていませんか。
近年の高校入試では、国語の試験問題において作文の出題が年々増加しています。2025年度の入試でも、この傾向は続いており、多くの都道府県で200字から400字程度の作文問題が出題されているのです。
過去問や模擬試験で作文が上手く書けないという場合は、早めに対策を立てる必要があります。また、推薦入試では作文や小論文が必須となる学校も増えています。作文は練習すれば必ず上達する分野ですので、できるだけ早めに対策を始めることが大切です。
作文には書き方がある
入試での作文問題は、普段から文章を書いているだけでは合格点を取ることは難しいのが現実です。作文の「書き方」を正しく学んで、出題意図にそった形式で短時間で正確に伝わる文章を書く練習が必要となります。
まずは、受験する高校の過去問を確認し、出題内容を把握することから始めましょう。実際に書き始める前に、模範解答をしっかりと読み込むことが何より大切です。
模範解答では何段落で構成されているか、各段落でどのような内容が展開されているかを分析してみてください。こうした分析を通して、合格答案の構成が見えてくるはずです。
東京都立高校の200字作文の例
例えば東京都立高校では毎年200字の作文問題が出題されますが、次のような構成で書くことを求められます。
- 出題に対する考え(賛成か反対かなど)
- 自分の体験など具体的なこと
- 結論や自分の意見
構成ができたら時間内に200字近くまで書き切る、誤字脱字などがないかをチェックする練習をしていきます。
このように、作文の試験対策には、最初に作文の構成を組み立てることが大切なのです。長めの作文問題でも、とにかく何か書かなければとだらだら書いていると、同じことの繰り返しになり、意図の伝わらないものになってしまいがちです。
自分で決まった作文の構成を作ってみよう
過去問や模擬試験をみて、まずは自分が書きやすいもので作文の形を作ってみてください。
そして、毎回同じ形式で他の問題の作文を書いてみましょう。形を決めて練習することで、本番でも迷うことなく書けるようになります。
例1:文章を読んで自分の意見を書く作文の問題
序文: 〜の行動について〜ような理由で私は賛成する。(毎回賛成か反対かを決めてしまった方が書きやすいかもしれません。)
本文: 自分の体験や見たことなどを書く。(作文なので、体験を作っても構いません。例えば、電車でお年寄りに席を譲った体験など、実際にやっていなくても想像で書いて大丈夫です。)
結論: このような理由で、〜のように、私もできるだけ〜したいと思う。(序文をもっと具体的にした文章や、書き換えたものを書いても構いません。)
例2:表やグラフを見て考えを書く問題
序文: この表(グラフ)から〜が一番多く〜が少ないと分かる。(表やグラフで分かる情報をそのまま書きます。)
本文: これは、若い人があまり〜に興味を持たないからだと思われる。(表やグラフで読み取れる情報を具体的に書きます。)
結論: 若い人が〜に興味を持つには、〜を考えた方がいいと思う。(自分の意見を書きます。)
このように、できるだけ型を決めて作文を書くようにしてみましょう。
読んで分かる文章を書く
読んで意味が分からない文章を書いていては得点になりません。
主語と述語がしっかりしている文章を書く必要があります。一文が長いと上手く書けなくなることが多くなりますので、最初は短い文章で書く練習をしてください。
短い文章で書くことに慣れてきたら、少しずつ文章を長くしていくとよいでしょう。
原稿用紙の使い方など基本を確認する
いくら上手く作文を書けても、原稿用紙の基本的な使い方ができていないと減点されます。
小学校で習うレベルの原稿用紙の使い方をもう一度しっかり確認しましょう。
原稿用紙の使い方の基本
原稿用紙の使い方については、教科書や参考書で確認しておいてください。特に段落の書き始めや、句読点の扱いなどは、間違えやすいポイントです。
分からないことがあれば、学校の先生に質問してみましょう。
原稿用紙の使い方の参考になるサイト
誤字・脱字・漢字が使えてないと減点対象になる
作文を書いたら読み直して、誤字・脱字がないかを確認しましょう。
漢字の間違いは減点対象になりますが、漢字が分からないからと平仮名が多くなるのもよくありません。漢字を忘れてしまって書けないときは別の言葉を使うなど、できるだけ漢字と平仮名のバランスが取れた文章を書くようにしてください。
最近の出題傾向について
最近の高校入試では、社会的な話題や、中学校生活での経験に関する題材が出題されることが多くなっています。
日頃から新聞やニュースを見て、いろいろなことに関心を持っておくとよいでしょう。また、自分の経験を振り返って、「あのときどう思ったか」「どんなことを学んだか」を考える習慣をつけておくことも大切です。
実践的な練習方法
時間を意識して練習する
本番では限られた時間の中で作文を書き上げなければなりません。普段の練習から時間を計って書く習慣をつけましょう。
最初は時間がかかっても構いませんが、徐々に短い時間で書けるように練習していくことが大切です。
いろいろな問題で練習する
過去問だけでなく、模擬試験の問題も活用して、さまざまな題材に対応できるようにしましょう。
同じような問題ばかりで練習していると、本番で違う題材が出たときに戸惑ってしまいます。幅広い題材で練習することをおすすめします。
書いた作文を見直す
自分で書いた作文を読み返して、構成や表現を改善する練習も大切です。
できれば、学校の先生や保護者の方に見てもらって、アドバイスをもらうとさらに効果的でしょう。間違いを指摘してもらうことで、次からは同じ間違いをしないように気をつけられます。
まとめ
高校入試の作文対策で最も重要なのは、決まった型を身につけて、その型に沿って短時間で書けるようになることです。
特別な創造性は必要ありません。基本に忠実に、出題者の意図を理解して、求められている内容を確実に書くことが合格への近道なのです。
入試で作文が必要になる生徒さんは、作文対策のテキストで作文の書き方を学習することをおすすめします。基本的な型をしっかり身につけて、自信を持って本番に臨んでください。
作文は練習すれば必ず上達します。早めに対策を始めて、本番で実力を発揮できるよう準備を進めていきましょう。
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