夏休みの各教科の学習ポイントをあげていきますので、参考にして取り組んでみてください。受験生とそれ以外の学年では夏にやるべき内容が変わりますので、教科ごとにその違いも合わせて説明していきます。
数学の学習ポイント
計算練習を毎日10分から20分続ける
計算問題は毎日少しずつでよいので学習に組み込みましょう。短時間でくり返し練習できる形式の教材を使って、速さよりもまず正確にできることを目指してください。基本的な計算のやり方があいまいな場合は、問題集に進む前に教科書で確認しておくと後が楽になります。
計算ミスが多い生徒さんは、間違えた問題をノートの端に書き写しておき、どこで間違えたのかを一言添えておくとよいでしょう。符号の付け方なのか、分数の通分なのか、書き写しの誤りなのか、自分の間違いには決まった型があります。それが分かれば、テスト中に見直すべき場所も見えてきます。
基本的な問題を一通り仕上げる
夏休みを目一杯使って全単元の計画表を作ったけれど、結局やり残してしまうというケースが多くあります。受験生で1、2年の復習をしたい場合は、まずは基本的な問題を2週間くらいで一通りやり、その後にやや難しめの問題や苦手分野へ進む形をおすすめします。
1学期のテストのやり直しや、教科書の章末のまとめ問題をもう1度やってみるのも効果があります。すでに一度解いた問題なので取りかかりやすく、忘れている箇所がはっきり分かります。
応用問題に時間をかけすぎない
応用問題はできるようになった方がよいのですが、何十分かけても分からない問題に時間をかけすぎると時間の無駄になってしまいます。夏休みは基本的な問題を確実にできることを優先し、応用問題は余裕がある時に取り組むようにしてください。
目安として10分考えて手が動かない問題は、いったん解説を読んで理解し、翌日にもう1度自力で解き直す方法に切り替えましょう。解説を読んだ直後は分かったつもりになりやすいので、必ず日を空けて解き直すことが大切です。
学年ごとに押さえておきたい単元
中学1年生は正負の数と文字式が、その後のすべての土台になります。かっこの外し方や項のまとめ方があいまいなままだと、2学期の方程式で必ずつまずきます。中学2年生は連立方程式と一次関数を確実にしておきましょう。一次関数は3年生の関数や図形の問題にも関わってくる単元です。
受験生は、方程式の文章題、関数、図形の合同と相似のうち、失点が多かった分野から手をつけます。関数と図形は入試での配点が大きく、考え方が身につくまでに時間もかかるので、夏に取りかかっておく価値があります。逆に、資料の活用や確率などは短期間でも仕上げやすいので、秋以降に回す判断もできます。
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国語の学習ポイント
漢字は毎日10分の練習を欠かさない
漢字は毎日10分くらい取り組むようにしましょう。受験生の場合は、小学校で習うレベルの漢字で書けないものがないか確認してください。高校入試では小学校で習う漢字が出題されたり、作文で漢字が使えていないと減点されたりすることがあります。
中学3年間の漢字を一冊で確認できる教材を使うと、抜けている範囲が見つけやすくなります。読みだけできて書けない漢字は、意味と一緒に短い例文で覚えると定着しやすくなります。
問題集は7割解けるものを選ぶ
国語の問題集は自分の力に合ったものを使いましょう。7割くらい正答できるレベルが目安となります。半分も解けない問題集は、解説を読んでも身につきにくく、途中で投げ出す原因になります。
解いた後は答え合わせだけで終わらせず、正解の根拠が本文のどこに書かれていたかを確かめてください。国語の力は、この確認をくり返すことで少しずつ伸びていきます。
長文を読む時間を確保する
できるだけ長い文章を早く読む練習をしておいた方がよいのですが、特に読むものがない場合は教科書を一度読み直してください。教科書の文章は一度授業で扱っているので内容が頭に入りやすく、読む速さを上げる練習に向いています。
新聞のコラムや、興味のある分野の新書を1日1本読む習慣も、読む力を支えてくれます。中学1、2年生は問題集を何冊もこなすより、読む量を増やすことの方が先です。
記述と作文は書いたものを見てもらう
公立高校の入試では、条件に沿って自分の考えを書く問題や作文が出題される地域が多くなっています。記述は自分で書いただけでは良し悪しが分かりにくいので、書いたものを学校の先生や家の人に読んでもらい、伝わりにくいところを指摘してもらいましょう。
字数の指定がある問題は、指定字数の8割以上書くことが基本です。受験生は、時間を計って書く練習も夏の間にやっておきたいところです。
英語の学習ポイント
単語は発音とつづりを一緒に覚える
単語は発音とつづりを同時に覚えるようにしてください。間違った発音で覚えていると、聞き取りの問題でも答えられなくなります。声に出しながら書くという単純な方法が、結局いちばん定着します。
1日に20語を完璧に覚えようとするより、100語を目で見て確認する作業を何度もくり返す方が記憶に残る場合もあります。自分に合うやり方を夏の間に見つけておきましょう。
音声は端末ですぐに聞ける
以前は音声を聞くために付属の録音媒体を再生する必要がありましたが、今の教科書は本文や単語のところに二次元コードが入っていて、家庭でもその場で音声を聞けるようになっています。夏休みはこの音声を使う機会を意識して増やしていきましょう。
学習者用のデジタル教科書も、紙の教科書と併用する形で2024年度から全国の小中学校に段階的に導入が進んでいます(出典 文部科学省「学習者用デジタル教科書について」 )。学校から端末を持ち帰っている場合は、そこに入っている英語の音声や動画が夏休み中も使えることがありますので、確認してみてください。
話す力を問われる場面が増えている
英語は読み書きだけの教科ではなくなりました。2026年度の全国学力テストでは、中学校英語が「話す・聞く・読む・書く」の4つの技能すべて、パソコンや端末を使った方式で実施されています(出典 文部科学省「令和8年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果」 )。
入試でも同じ流れが進んでいます。東京都では中学校英語スピーキングテストが行われており、中学3年生が受けた結果が都立高校入試に使われます。面接官と会話する形式ではなく、端末に自分の解答音声を録音する形式です(出典 東京都教育委員会「【特設ページ】中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」)。
こうしたテストがある地域の受験生は、教科書の本文を音読して録音し、聞き返して発音を直す練習を夏休みの間に取り入れておきましょう。話す練習は聞き取りの力を伸ばすことにもつながりますので、対象の地域でなくても損はありません。
長文を時間内に読み切る
高校入試や英語検定で、長い文章を時間内に読み切れなくて点数が取れない生徒さんが多いようです。長文を日本語に訳さなくても理解できるところまで読み込む練習をしてください。学校の教科書を、時間を決めて音読しながら意味を理解するだけでも力はつきます。
受験生は、1日1題は長文を読む形を作っておきましょう。文法だけを完璧にしようとしているうちに夏が終わってしまうことがよくあります。
学年ごとに固めておきたい文法
中学1年生は、be動詞と一般動詞の使い分け、それに三人称単数の変化を確実にしておきます。ここがあいまいなまま2学期に入ると、その後に習う文法がすべて分からなくなります。
中学2年生は、1学期に習った助動詞や不定詞を整理しておきましょう。2021年度からの教科書では受け身や現在完了が中学2年で扱われるようになり、2年生で覚える文法が以前より増えています。夏のうちに1学期分をまとめておくと、2学期の負担がかなり軽くなります。
理科の学習ポイント
基本事項を確認できる問題集を1冊仕上げる
受験生以外は長時間勉強する必要はありませんが、何もやらないと忘れてしまいます。基本事項を確認できる問題集を1冊こなしましょう。不十分なところは教科書や資料集などでしっかり確認してください。
覚えているかどうかを自分で確かめる
暗記事項を確認する教材を使って、覚えているか自分でテストしてみることも大切です。問題集を解いて丸をつけただけでは、覚えたつもりのまま終わってしまいます。
ノートを見ずに白い紙へ用語や図を書き出してみる方法が手軽です。書けなかったところがそのまま弱点になりますので、そこだけを教科書で読み直せば時間もかかりません。
受験生は計算が必要な分野を優先する
理科で差がつきやすいのは、圧力、電流と電圧、化学変化の量の計算、そして仕事や速さといった計算が必要な分野です。暗記中心の分野は秋以降でも間に合いますが、計算分野は考え方が身につくまでに時間がかかるので、夏の間に手をつけておきましょう。
入試では、実験の結果やグラフを読み取って理由を説明する問題も出題されます。用語を覚えるだけでなく、実験の目的と結果を自分の言葉で説明できるかどうかを確かめてみてください。
自由研究は興味のある分野から
興味のある分野は自由研究で実験をしてみてもよいでしょう。授業で習った内容を確かめる形にすると、そのまま復習にもなります。
まとめるときは、目的、方法、結果、分かったことの順に書くと読みやすくなります。この形は理科の記述問題を書くときの型と同じですので、書く練習にもなります。
社会の学習ポイント
苦手な場合は教科書を読み直す
社会が苦手な場合は、もう1度教科書をしっかり読むところから始めてください。用語を知らないまま問題集を解こうとしても、手が止まってばかりで進みません。
1日に読む範囲を決めて進めると、1週間ほどで1学期の範囲を通せます。
問題集は1冊、大切なのは確認
理科と同じで基本的な問題集を1冊やれば十分ですが、やりっぱなしでなく覚えているか確認することが大切です。1週間後に同じページをもう1度解いてみて、答えられなかったところだけを教科書で読み直す形が効率的です。
抜けているところを夏のうちに埋める
都道府県名や地図の読み取り、年号の並びなど、覚えていなければならないことが抜けている場合も、夏休み中にしっかりできるようにしておきましょう。
地理は白地図に書き込む、歴史は年表に出来事を書き入れるというように、手を動かしながら覚えると頭に残りやすくなります。
受験生の3年間の総復習
受験生は地理と歴史を優先し、公民は2学期に授業で扱う内容と合わせて仕上げていく形が現実的です。歴史は細かい年号を覚える前に、時代の順番と大きな流れをつかむことを先にしてください。
時事問題が出題される高校もあります。1日5分でよいので、新聞やニュースで気になった出来事を書きとめておくと、直前になって慌てずにすみます。
さらに詳しい社会の学習ポイントはこちら

5教科に共通する取り組み方
間違えた問題をもう1度解き直す
どの教科でも、伸びるかどうかを決めるのは間違えた問題の扱い方です。答え合わせをして丸とバツをつけるだけでは、次に同じ問題が出ても解けません。
バツがついた問題に印をつけておき、数日後にもう1度何も見ずに解いてみてください。ここで解ければ身についていますし、解けなければまだ理解できていないということです。この1回の解き直しがあるかないかで、夏休みの成果はかなり変わります。
分からないところを1人で抱え込まない
夏休みは学校の授業がないため、分からないところが出てきたときに聞ける相手がいない状態になりがちです。解説を読んでも分からない部分が積み重なると、そこで手が止まってしまいます。
映像で説明を見られる通信教育を使うと、つまずいた単元をその場で確認しながら進められます。学年をさかのぼって復習できるものを選べば、受験生が1、2年の内容に戻るときにも役立ちます。
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教科ごとにやるべきことがはっきりすれば、夏休みの学習はぐっと進めやすくなります。まずは苦手な教科を1つ決めて、今日から取り組んでみましょう。

